いつも貸し切りの沖縄料理屋 用賀
用賀のN氏から;
N氏:「用賀の○○○っていう沖縄料理屋行ったことあります?」
という連絡があり、調べてみるとけっこう前から気になっている店だと言うことがわかった。どうやら旨くて良い店らしいがいかんせん情報がない。ネットで見てもフリッカーの写真くらいしか情報がないので行くしか無い。
N氏と待ち合わせして行ってみることに。二人ともドキドキである。
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その前にこの店の基本情報を説明する必要があるだろう。
恐らく用賀界隈に住んでいる人なら存在は知っていると思う。飲食店にも関わらず黒バックに白抜きの看板という今時スナックでもやらないようなデザインの看板の店。看板からはセンスが感じられない。
「地雷臭」が強烈に漂う。
しかも入り口は「アパートのかなり細く急な階段を登る」という明らかに怪しい店構えである。ただ、気にはなりつつも印象に残らないという特徴も持ち合わせている不思議な店。気にはなっているがいざとなると違う店の方が記憶にあるためこの店は行かなかったのだ。
なんとも表現しがたい不思議な店だ。
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N氏とアパートの階段を上がる。一応暖簾がかかっているが「貸し切り」の張り紙。でも客がいる雰囲気はない。N氏がドアを開けると中から年輩の女将さんが出てきた。なにやら不審者を見るような目でこちらを見ている。
こっちだって怖いのだ。
N氏:「貸し切りなんですか?」
女将:「いや、まぁ・・・・、何人?」
N氏:「二人です。」
女将:「何も無いけどいいならどうぞ。。。」
店内はアパートの一角にしては広い。それにしても「貸し切り」にしている理由が分からない。女将に聞くと張り紙の「貸し切り客」は来ないらしい。
私もN氏もポカーンとしてしまう。
要は店を開けてはいるが客が来ると忙しいから「貸し切り」にしておけば誰も入ってこないし、常連は勝手にくるだろう、ということのようだ。そういう女将はカウンターで一人でビール片手にクロスワードパズルやりながらテレビ観てるだけなんだが・・・。
メニューを見せてもらうこともなく、とりあえずオリオンビールを頼む。
いや、正しくは何を頼んで良いのか分からず、カウンターの奥にオリオンビールのビールサーバーが見えたからとっさに「ビール」と言っただけのように思う。そして、ビールを飲みながら徐々にこの店の全貌が明らかになる。
開店したのは4年前。ほぼ知り合いしか来ないような店だという。また女将は忙しいのが嫌いなので宣伝は一切していないという(※本日の↑の写真がモザイク処理しているの知られたくないという女将の希望を考慮)。店に電話があるのかと聞けば一応あるが番号は非公開だという。
かと言ってこの女将は偏屈な人でもなんでもなく愛想の良い気さくなおばちゃんだ。
泡盛の品揃えも良い。
また聞いてみるとあと2日以内に店舗の更新しないとならないタイミングで女将は店をたたもうか悩んでいるという。
ちなみに客が来ない訳でない。
いや、正確には常連さんたちが会社行事に使おうか、とか、客連れてくるよ、と言ってくれるが断っているという。このご時世に珍しい・・・。やはり忙しいのが嫌いなのだ。
ただ、自分が作った料理を食べて喜んで貰えるのが凄く嬉しいという。
沖縄料理の店だが得意料理はボルシチなどのロシア料理からエスニックまでこなすという。そういう料理は店で出さず、自宅に客を呼んで振る舞うらしい。これまた不思議な話である。
それで酔っぱらった女将が作ってくれた「ニンジンシャリシャリ」や「レンコンのきんぴら」などいくつか頂くと、優しい沖縄の家庭料理の味だ。使っているニンジンも有機栽培のモノを使っているという。もう少し塩気が欲しい気もするが、ほんのり甘い感じでビールのつまみになるし、そもそも体に良い味だ。南国料理にありがちな化学調味料は使っていないという。
この女将「食や料理」にはそこそこうるさいようだ。
そして一冊だけあるというメニューを見せて貰うも普通の沖縄料理屋よりも一割くらい安いんじゃなかろうか。泡盛も古酒もある。あまり詳しくないが代表的な沖縄料理はだいたいあると思う。
他にも食べてみたかったが女将も飲んでおり、我々も飲んでおり、そのうちフラッと来た常連客と結局四人で飲んでいた。酔っぱらいながら店を続けるかどうかについて話し合われる(我々は一見の客なんだが・・・)。
せっかく見つけたのでもう少し営業してもらえるといいな。
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