ストックフォト業界経験者「あるある」

先日、某氏のブログを拝読し、「ああ、私も同じだ」と思ったのでちょっとその辺のお話を。

ストックフォトエピソード 写真で遊ぶ

このブログを書かれているSさんは、今ではなかなか厳しい「ストックフォト業界」において示唆に富んだブログを書かれており、私は更新されるたびに拝読させて頂いています。恐らくストックフォト業界の中でこうして情報を発信しているのはSさんだけだと思います。

ちなみに10年以上前に一度だですが新宿で呑んだことがあり(当時お互い競合関係にありながらご縁がありました)、恐らくSさんは私のことなんて覚えていないと思いますが、こうして今は社長職に就かれ(当時課長職だったと記憶しています)、現役バリバリというのも頭が下がります。

それでこの「写真で遊ぶ」という記事を読みながら、「やはり、そうですよね・・・」としんみりしたわけです。

恐らく、これってストックフォト業界経験者はみんな同じなんじゃないかと思います。

簡単に言ってしまうと気楽に撮れなくなるのですな。

ご存じの通り「写真」とは著作物であり、且つ「被写体」にも権利が発生しているという面倒なメディアです。この辺に関してはプロでもずさんな人はずさんですし、写真学校でも教えているでしょうが、ちょっとやそっとで理解できるようなものではなく、実際にはかなり深い(都度解釈が変わる可能性がある)のです。

私が働いていた頃は、画像の仕様(解像度や印刷品質)に関する問い合わせよりも権利関係の問い合わせのほうが多かったように記憶しています。

私個人としては「スナップに始まりスナップに終わる」と思っていますが、ただ、街中を撮っているだけでもいろんな法的リスクが存在しています。一般的に人の顔が写っている「肖像権」を連想されるかと思いますが、こんなのまだまだ浅いほうで、これ以外に撮影場所でも該当施設内での撮影禁止というのはよくある話だったり、コンデジで撮っていたら何も言われないけど一眼デジカメだと注意されるとかあるわけです。こういう場合は、バカの一つ覚えの警備員に問題があったりするのですが(中途半端な著作権知識がもたらすトラブルは多い)、実際には場所や相手によっていろいろと細かな規制(というか言い分)があるのです(法的根拠の有無に関係なく)。

しかも、「日本国民総カメラマン時代」になると「著作権」という言葉が拡大解釈されすぎてしまって「(カネになると勘違いして)権利を主張する」ことに必死な輩が出てきたり、「写真を撮る(撮られる)」ということに対してナーバスな人が出てくるわけです。

おかげさまで今まで私個人がそうしたトラブルに遭ったことはありませんし、何か言われても反論できるだけの知識や経験は一応あるわけで、それが無理な状況では撮らなければ良いだけの話。

まぁ、こんなの数年で慣れてしまうのですが、やはり撮るときはそうした緊張感が無くなるわけではない。あくまで趣味として楽しむなら多少は許されるとは思いますが、少なからず「お金を貰う立場」だとそういう甘いことは言っていられない。変な話が写真の上手い下手なんて関係ない。「上手い写真」というのはもうプロもアマも関係ないですから。

むしろコンプライアンスが重要で、そうしたルールの中で撮るから価値があるとも言えるわけ。

慣れてしまえば不便さを感じるというよりは「そういうもの」と思うようになるのですが、こんなことをいちいち考えて撮るってのはやはりストックフォト業界経験者の「悲しい性」という奴ですな。

 

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