なんとなく浅草橋
例年の恒例行事と言いますか、所用で丸の内まで行った。ついでに捜し物しに浅草橋まで行ってきた。
浅草橋まで来たのは良いが時季外れで捜し物は見つからず。一つ見つけたが全然予算とかみ合わず断念。なにやら雨もポツリポツリと降っている。
ちょっと迷ったが浅草橋に来る機会もなかなか無く、このまま帰るのは寂しい。秋葉原にもちょっと寄りたい。総武線で一駅だ。一駅とは歩いて15分かその程度。時刻は16時ちょっと前。
雨は嫌だが一駅ならなんとかなるだろうと考え歩くことに。多少濡れても仕方ない。傘を買うほどでもなく、土砂降りになったらなったで考えれば良い。どうせ一人だし。
人間というものは不思議なものでこうした「開き直り」をしてしまうと急にワクワクしてしまう。
早速、小腹が空いたことに気付き、軽く何か腹に入れたくなった。
ただ、ここは浅草橋。軽く何か食べたくともなかなか思いつかない。ラーメンは嫌だし、牛丼屋も嫌だ。なんかローカル、もしくはレアな何というか「チープな感じ」が良い。
結局ガード下の小綺麗な蕎麦屋を見つけた。値段をチェックすると場所と雰囲気の割には安くもない(と言っても盛り蕎麦で420円。ちなみに都内の立ち食い系の相場は260~290円也)。
誇らしげに書かれている看板には「二八蕎麦」と銘打っている。要するにそば粉8割、つなぎ(小麦粉)2割ということである。これはちょっと珍しい。
(※豆知識:そば粉の比率が高いほど伸びるのも早く、いわゆる「立ち食い蕎麦」というのはつなぎが7割のところが多い。これは多少茹でおきしても伸びない割合で、法的に言う「標準蕎麦」というのはそば粉3割ということになっており、これはうどんではなくれっきとした「蕎麦」なのです。ちなみにこれでも5分置いたら伸びてしまい食感がふやふやですのでご用心!)
「二八ならば」、と納得し入ってみる(値段も納得済み)。客は私とおばさんしかいない。どういうわけか、いや私の気のせいか、一人でそば屋にいるおばさんというのは一様に機嫌が悪そうに見えるので不思議だ。
初めての店は毎回ドキドキする。
この店のスタイルは「セルフサービス」のようだ。直接レジで食べたいものを頼みお金を払う。そしてレシートを受け取り待つのである。店のレイアウトにも起因するのだが極めて効率悪い。追加オーダーする意欲が失せる。
蕎麦ができあがるまでしばし待たされる(※二八蕎麦は注文入ってから茹でないとNGなのです)。席に座って周りを見渡すと「酒とつまみ」が充実している。これはけっこう「理想型」だったりする。
そば屋で「呑む」というのは個人的にはかなり好きだ。ここは酒もつまみもメニュー上では「ホンコン基準」はクリアしている。あとは「味」なのだがさすがにいま飲むわけにもいかない(この後用事あったのよ)。でも「セルフサービス」というのもいささか難あり。
全体的な店の造作とかメニュー見ているとどっかのチェーンなんだろう(場所も曖昧にしか覚えていない。むろん店名など覚えちゃいない)。
そしてやっと蕎麦登場!(※写真無しm(_ _)m)
見るからに二八っぽい艶である。
まずは一口。
(ズルッ!ズルズルッ!)
(ほー、紛れもなく二八ですなー。このキリリとした食感が良い。)
そしてつゆを一口(※最初はそばとつゆを別々に味わうのがホンコン流)。
つゆは最近流行の「甘め」よりはいささかしょっぱ系。ちょっとしょっぱいか?とも思うがここは酒もある店なので飲んだ後の〆としてはありかな、みたいな。悪くない。
そしてワサビに目をやる。いささか立ち食い系とはちがう面持ち。
(なんだべ?)
ワサビを箸の先でつまんでパクリ!
(しょっぱい?おっ!なに!?この食感!)
よーく見てみるとどうやら「わさび漬けのみじん切り」が入っている。
口の中でシャリシャリしている。
(これは旨い!そしてちゃんと辛い!)
これが実に旨かった。そば屋で「ワサビが旨い」というのは初めての経験である。
ふと見るとメニューに「おいなり 普通、ワサビ味。各1ヶ70円。」とある。
恐らくこの「ワサビ味」はこのワサビだろう。
すると恰幅の良いオヤジが入ってきてこの「ワサビ味のおいなり」を二個だけオーダー。
(マジか!クソ!ここはおいなりがメインか!?)
ただ、ここでおいなりなんて食ったら酒も欲しくなるので我慢した。
浅草橋で飲む機会があればここで一度は飲んでみたい。
・・・・。
他にも書くことはあったのだがさほど面白くもないし長くなったのでこれくらいでいいや。
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