直接教えた方が早い。

先日、試験的に友人のH氏にストロボの使い方を中心にマンツーマンレッスンをしてみることにした。レクチャー内容としては;

・絞り、ISO、シャッタースピードの概念

・オフカメラストロボの使い方(1灯)←メイン

・フラッシュエクスポージャーの概念

概ねこの3点。恐らく(行ったこと無いけど)写真学校で教わるなら2ヶ月くらいの内容か。まぁ、H氏もそれなりに理解しているので教える方としては専門用語の細かな説明をせずに済むのでそこは楽。

教え方としてはライティングのセッティングや露出は私が決めてあとは撮って貰う。これは普段遊びでやっている撮影大会と同じ。違うのはそれぞれの意味とか役割を説明したり、「スパルタ教育モード」というくらい。

あと、私の持論なんだけど、やはり「撮られる側」をやらないとダメだと思うので撮られる側もやってもらった。

ライティングって自分が撮られて自分がどう写っているかを見た方が理解が全然違うのよ。そして私がまず撮って、それを見て貰ってから撮って貰う。

すると「見本と違う」ということに気付く。この「違いに気付く」のが重要で、これはやはり直接教えていないと伝わらない部分だなぁ、と思った次第。

それでいくつかのバリエーションで撮ってもらう。撮って貰うときは「動く」ことを意識してもらって撮る。一度設定が決まればあとは被写体の360度から狙えるからね。

それで、「見本との違い」と言っても私の写真が良いということではなく、「イメージしていた結果と違う」ことに気付くことが大事。写真なんて答えが無いんだから「正解」を求めるのは無駄。撮りたいイメージとの差分を理解し、その差分を埋めるためのプロセスが「理解」に繋がるわけだし「楽しさ」になる。

これは写真に限らずビジネスでも料理でも同じことは日常生活の中に溢れている。「写真だから」ということでもない。「イメージとの差分」を埋めるというのは無意識のうちにみんなやっている。そして実はそれがクリエイティブなんですよ。

あと、こうして教わるほうも普通はカメラ買ってもマニュアルで使うことなんてないだろうから、面白いと思う。それに理屈が分かると写真が劇的にドラマチックなものに変わるのも体感できる。センスはともかくとして撮影技術ってさほど難しくはない。

この日はストロボ一つのライティングでいろいろやってみたのだけど、実のところ環境光で撮る写真というのは表現に限界があったり、状況に左右されるけど、ストロボを使うことでバリエーションは増える。ただ、普通の人はマニュアル操作はむろんのこと、ストロボを使うのは難しいと思っているようなのでハードルが高く感じるらしい。この辺に関しては日本の写真教育というか、巷の「愚かなノーガキ」が影響しているように思う。実のところさほど難しくもないし、「最初」が面倒なのは写真に限らない。直感的にというか、テキトーに始めても良い。

他に「バウンス」もレクチャー。「バウンス」と言っても天井バウンスとかそんなアマチュア的なテクニックではなく;

以前、ブログで解説した「大きな光源、小さな光源」の応用例。「壁」というのは光源として使えるのですよ。ストロボの「小さな光源」を工夫するだけで「大きな光源」に変えることができるのだ。

こうやって教えると、普段から言っている「どうして光量が必要で、且つ調整できるストロボが重要なのか」も伝えることができる。

ひとまずノーガキはさておき、「撮る」ってクリエイティブでとても楽しいのですよ。

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