年に数回行く本屋 ~青山ブックセンター本店~

某金融機関に用事があり、久しぶりに表参道に行ってきた。

表参道は私の東京ライフの原点であり、いろいろと思い出の多い街である。なんだかんだで7年ほどこの街で働いた計算になるのだが、今も年に数回行っている。

都内でも屈指の家賃の高いエリアで、当時働いていた会社はすでに違うところに移転しているし、街並みも行くたびに変わっている。まぁ、都心なんてコロコロ様変わりするのでなんら驚きも無いのだが・・・。

それでついでなので青山ブックセンター本店(以下、ABC)に立ち寄った。

この書店は私と微妙な縁があり、当初運営していた会社が破綻したとき、私は当時勤めていた会社で「債権者」として債権者集会に参加し、その後、洋書販売という会社が引き受けたのだがその会社も倒産し(確か)、今はブックオフが運営している。皮肉なことに新本を扱っている企業の経営を引き継いだのは古本屋ということだ。

それでABC本店は昔からデザイン書、写真集などのアートやクリエイティブ系の書籍が充実していることで有名。六本木にも支店があったり、それっぽい本屋は他にもあるが、「トレンドを掴む」という意味においてやはりここが最先端である事実は今も変わらないように思う。

私は行くとたいてい入り口を入ったすぐ左手にある洋雑誌コーナーから見て歩く。基本的に表紙の写真しか見ないのだが、気になる表紙があればその本を手に取って中身を見る。「中身を見る」と言っても「チラ見」程度。それなりに広い店内を見て歩くのにじっくり見る時間は無いし、そもそも「写真」しか見ていない。記事はどうでもいいと言っても過言ではない。

そしてここで「写真のトレンド」を見るのである。

ABC本店に置いてあるということは「そういう系の人たち向け」であって、どういう写真が世の中(国内外問わず)のトレンドなのか知るには日本一の品揃えだろう。気になる表紙は手にとってキャッチライト(目の中の写り込み)をじーっくり見たりもする。また、「きっとこのライティングはこうだろうな。。。」とか勝手にシミュレーションしたりもする。

特に「料理本の表紙の写真」というのはトレンドがはっきりしている。

今なら表紙では真上から俯瞰した写真が多く、色温度がちょっと高めで、「朝」をイメージさせるライティングが多い。また、「俯瞰系」は被写界深度深めだが、その真逆に寄りで撮ってかなりボケさせるパターンも多い。いずれにせよこの2パターンが最近の料理写真の主流ってことだろう。

ボケ系の撮り方をしているのは「ツマミ系」に多いような気もする。また、「ツマミ系」は色温度低めな場合が多い、と言った具合にいろいろ分析している。

また、ABC本店は「催事エリア」があってアート系の小物や書籍を入り口付近で展開していることもある。ただ、やはり経営体制が変わったからなのか、昔ほど尖っていないのがいささか寂しい。なんというか一部スペースを「メジャーどころ」が占めており、「これじゃ渋谷の書店と変わらないよな」と思った。これではABCに来て「新発見」は無いのだ。

そしてその後は奥の方にあるちょっとマニアックなアートや建築系のコーナーを散策する。

恐らく作り手の採算に見合っているのかどうか分からないような建築系の写真集や、手のひらサイズの同人誌風な印刷物までいろいろある。昔とは違うがやはりABCの懐の深さは「提案し続けていること」にある。

前述したが「昔ほど」ではないと思うが今もそういう流れを汲んでいることは間違いない書店だろう。その点については店員さん各自がそういう「自覚」を持っているはずだと思う。経営が「洋書販売」になったときは「普通の本屋」に成り下がり、「洋書だらけ」だった時期があったのだが今のABCはあの頃よりもマシだと思った。

なんというか久しぶりに言っていろいろと刺激になったのは間違いない、というか一ヶ月に一回は行っていろいろ見てきたほうがいいな、と思った。六本木店も悪くはないのだが「本店」という冠はトレンドを知る上で重要なポイントだ。

敢えて苦言を言うならば、私の知る「昔のABC本店」よりも品揃えがマイルドでおとなしくなった気がした。

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●おまけ

本日は写真が少なかったので一つ「おまけ」を。

ABCの向かいにある青山学院大学(一応母校の一つ)の学食で久しぶりにランチをしてきた。

「ワンプレートランチ」と言って400円なのだが、山菜ご飯とツナサラダ、肉団子の甘酢煮、そして野菜サラダという組み合わせ。

これが大失敗!(T_T)

確か、全国学食ランキング「4位」だったと記憶しているのだがあの頃の面影なし!今のご時世のランチとしては「400円」というのは安い部類に入らないのだがそれにしてもこれはキビシイ。これなら麺類の方がまだマシだと思ったよ。

やはり青学でご飯食べるときは無難に「ビーフシチュー」か・・・。

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