難波から梅田へ ~大阪雑感~
難波までたどり着き、キャベツ焼も食べ一段落。
梅田まで電車で行こうか、歩こうかしばし考え歩くことにした。その前に汗をかいたので「なんば温泉」という銭湯で一っ風呂浴びる。
歩いて行くぞと決めたまではいいが、どういうルートで行くか悩む。ひとまず道頓堀へ行き、適当に撮ってみようと思いつく。さすがに歩くのも疲れて来た。
途中、お巡りさんに道を聞く。ジーパンで歩いていたおかげで汗で歩くづらくなってくる。寒いか暑いか微妙な気候のときは着る物選びが重要だ。
こうなってしまうと撮っている場合ではなくなる。雨の日を撮るのは嫌いじゃないのだが、以前これやってカメラ壊しているし、そもそも暑さと疲労でテンションが下がる。しかも薄暗いがまだ明るく、「使えそうな灯り」があるわけでもない。
ただ、そんなことよりも雨が徐々に激しくなってくる。さすがにここまで降られるとちょっとやっかいだ。すると知らなかったのだがこの界隈ってアーケードがかなり長い範囲で続いているんだよな。すかさずアーケードの中を歩く。
当然他の人も同じこと考えるわけでアーケードの中は大混雑。ただ、かといって他の選択肢があるわけでもないので人混みの中を渋々歩く。
それなりに進んだところでさすがに人混みの中を歩くのも面倒になってきた。なんせこちらは一人なので機動力が高い。
アーケードを逸れて歩き始める。私はこうして出歩くことが好きな割に「極度の方向音痴」という弱点がある。場所を覚えようとする意識が希薄というよりも、むろんこうした弱点は自覚しているので覚えようとはするのだが頭に入らない。
このときもどこを歩いているのかよく分からず漠然と「梅田はあっちだよな・・・」くらいの感覚で歩いている。
途中、ブランドショップが並ぶエリアにたどり着く。この辺が心斎橋界隈じゃなかろうか?くらいの感覚。歩いている通りが何という名の「筋」なのかも定かではない。
本町までやってくる。やはり突然の雨だったので傘を持たない人たちは物陰で雨脚が落ち着くのを待っている。それにしてもイヤな天気だ。
またアーケード発見。「せんば心斎橋」と書かれているのだが「心斎橋の範囲」が分からなくなる。そんなに心斎橋というところは広いのか、もしくは私がまだ心斎橋から抜け出せていないのかが謎だ。とりあえず梅田への「向き」は辛うじて分かっているので歩き続ける。
歩きながら今回の大阪を振り返る。
東京に拠点を置いて、地方都市と東京を比較するというのは悪いことではないだろう。ただ、ここで感じたのは今は東京が一番「つまらない街」だと思う。史実としての歴史はそれなりに古いはずだが京都や大阪に比して明らかに「薄っぺらい」感じがする。京都は東京の歴史と比べものにならん、という意見もあるかと思うがその辺考慮してもあまりある薄っぺらさだ。
建物の古さがどうこうというよりも、東京の場合全体的に「入れ替わり」が激しすぎてそれぞれの街の個性が無くなっている。これは都心、副都心エリアなど東京を代表するような街に顕著な傾向だ。
また、道行く人たちの表情を見ていても違いを感じる。
札幌に行ったとき「統計データ」で見る限り北海道経済は悲惨な状況で、当然札幌もその範疇にある。ただ、そうは言っても日々の暮らしの中で楽しく暮らす術を持っている、もしくは工夫ているような空気がある。飲食店も企業もズタズタなはずだがそれでも東京ほどの「殺気」を感じない。
大阪(関西圏)は経済規模で言えば札幌よりも遙かに大きいが、それなりに深刻な経済状況だ。でも、点在する街の一つずつは個性豊かに見える。人も殺気立っていない。
まぁ、大阪と札幌に関しては「地方都市とはそういうものだ」みたいな諦めというか覚悟があるようにも思う。下手にあがくよりも受け入れた上でどうするか?みたいな。
だから私にとって東京は中途半端に感じるのかも知れない。経済は芳しくもないが、けっこうイケイケの会社があるのでそれっぽく見えてはいるが方向性を見失っているような。
今のところ日本で住みたいと思った街が無いので東
京だし、今の家に住んでいるのだが今回は少し地方に目を向けてみるのも悪くないと思った。ただ、そうは言っても「日本」に変わりはないのが引っかかる。
ひとまず北新地まで来た。ここまで来れば梅田は目と鼻の先である。
約束の時間まで小一時間ほどあったので、さすがに疲れもピークに達してきたので適当な店を見つけて入ることに。席に着き、とりあえずビールとメンマで一息ついた。
この店でビールを二杯ほどやっつけ集合場所へ。久しぶりの大阪で、久しぶりに会う人たち多数。今もこうして何か繋がりを持てているということは「縁」なんだろうな。
予定されていた勉強会に参加し、その後は皆さんと会食。このイベントはなかなか楽しいし、最近は東京じゃ誰もやらなくなった。楽しかったのでまた参加したいと思った。
いずれにせよ今回の旅で感じたのはできるだけ「東京以外の街」を訪れる機会を増やしたいと思った。ただ、そうは言っても今回のような用事が無ければなかなか行くことはないが。
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