ここの水割りは日本一旨いと思う ~山崎蒸留所~
京都を二時間ほど散策し、京都線で山崎へ移動した。
恐らく6回は来ているように思うが定かではない。日本の蒸留所の中で唯一「電車で行ける蒸留所」というのはここ以外にはない。どこの蒸留所行くにも常に交通手段が邪魔をするがここは駅からも近く行きやすい。
それで駅から降りて徒歩10分ほどの場所にある。さすがに新鮮味はないのだが、いつ来てもワクワクするから不思議だ。
入り口にある受付でサクッと受付をすませ、指定の場所で待機する。私が行ったときにはすでに80人ほど人がおり、2グループに分かれての見学となった。
見学と行っても勝手知ったるなんとやらではあるが、他の見学者と一緒にガイドさんについて歩いて話を聞くのは悪くない。今回は見学者が多かったのでいささか省略気味の内容であったが仕方ない。それより人数が多いとガキは騒ぐし、学生風の連中は聞いちゃいなかったりと失礼極まりないのが目に付いた(※正直大学生にはキレても良いよな、と思いましたが最後まで我慢しました)。
ちなみに蒸留室には6台のスティルポッド(蒸留釜)があり、この部屋は蒸し暑く、ビールのような臭いが充満している。呑兵衛には好意的な「香り」だが呑まない人には酔いそうな「臭い」だと思う。当然私は前者であるので嬉しくなる。
場内の敷地は広いのだが、中央は「公道」となっている。製造工程を一通り見学したあとは「貯蔵室」に移動する。
室内に空調はなく、常に自然のまま放置されている。ここは樽から発するマイナスイオンが充満しているので癒し効果があるという。ただ、ウィスキーの臭いが充満しているのでこれまた好き嫌いが分かれるところかと。
やはりこの蒸留所の見所はこの貯蔵庫だろうと思う。色んな年代の様々な樽が整然と並んでいる光景はやはり美しい。
うーん、やはり圧巻である。この横には「オーナーズカスク専用貯蔵室」があるのだが、いつか入ってみたい場所だ。ただ、噂では先日都知事選に立候補した「居酒屋のオヤジ」も持っているらしく、「上品な方たち」は少ないのかも知れない・・・。
それで貯蔵室を出ると池があり、ここが山崎の水源である。写真では分からないがあちらこちらでうっすらと水が沸きだしている。この水で千利休が茶を沸かしたことで有名。今回は梅雨時の訪問で且つ天気が悪かったのだが、個人的には冬がお勧めではないかと思う。超寒いが周囲の静寂度がレベル高くて神秘的だ。
30分ほどで見学は終わり、その後は「試飲」である。これなくして山崎まで来た意味はない。
飲めるのは山崎10年、白州10年などなど三種類ほど。店頭販売されているウィスキー。飲み方は水割りとハイボールなんだが山崎をハイボールにしていたのは「もったいねぇ~!」と思ったのが本音。ただ、ここで試飲する水割りもハイボールもそこいらのバーとはグレードが違う。
この辺からクドい感じで説明しよう。
グラスは専用のグラスでこの形状が一番香りが楽しめる。飲み口も薄く出来ていて飲みやすく、口当たりも良い。バカラのグラスで飲まなくても良いじゃん?と思わせてくれる。ちなみにこのグラスは併設の売店で500円で売っている。これは安いといつも思う。
また、氷も水もウィスキーを作るときの「仕込み水」を使っているのでこれまた贅沢だ。グラスといい、氷といい、全体の冷え具合などパーフェクトなコンディションである。水割りがお勧めだがハイボールも悪くない。
主観ではあるがサントリーの炭酸は発砲感が弱い(※繊細な発砲感と言うべきか)のだがこの飲み方ならば納得できる発砲具合である。きめ細やかな発砲感はシャンペンを彷彿とさせる。下品な分かりやすさではなく、上品な発砲感。あの炭酸はこうして呑むのかと思うと納得せざる得ない。
そして、私が知る限りでは日本一旨い水割りとハイボールだ。どんな酒でも言えるのだが値段云々よりも「コンディション」が重要なのである。なので高いバーというところは品揃えも大事だが、「コンディションに気を遣っていること」が絶対条件だ。飲み方、分量、氷、水質、温度などなど拘る項目は多岐にわたる。
店選びというものは内装の雰囲気だけで騙されてはいけないのである。
さて、少々熱く語ってしまったが話を続ける。
試飲は20分ほどで終わってしまう。一応おつまみも付いているのでそれなりに満足できる内容だ。
しかし!このためだけに山崎まで来たわけではない。毎回恒例の「シングルカスク経年変化お試し企画」を実行しなくてはならない。
場所を変え、売店などが入っている建物中央にあるテイスティングカウンターへダッシュで移動。以前はメニューになかった「経年変化お試しセット」が今回からメニューに載っていたので早速オーダー。
言っておくがここのメニューには「銘酒」が並んでたり、なかなか飲めないものもある。市井のバーで飲むよりリーズナブルではあるが相応の酒は相応の値段である。
さて、頼んだ原酒のラインナップとしては山崎のシング
ルカスク4年、8年、12年のセット。各10mlで300円はビックリプライスである。恐らくその辺のバーで飲んだら10倍近く取られる(※そもそもシングルカスクなんて置いてる店は都内でも数えるほどしかない)。
さっそくいつも通りテイスティングタ~イム♪
久しぶりの味わいに笑みが溢れる。が、原酒なのでアルコール度数が57度ほどある。全部呑みきるとさすがの私でも辛いのである。
すでに水割りとハイボールを一杯ずつやっつけているのもあり、酔っぱらいそうになる。ちなみにこのとき昼の11時である。
試飲会場で親しくなったご夫婦にもこの「経年変化セット」を勧めてあげたのだが喜んでもらえて嬉しかった。実は多くの見学者というのは「こういう楽しみ」を知らないのである。わざわざ来たのに勿体ないといつも思う。ちょっとの出費で人生の経験値がグッと上がるのにねぇ。
ひとしきり呑んだ後は酔い覚ましもかねて館内を軽く見学。
私は何度となく見ている光景ではあるが、初めて行くと感動する。
いつもこれは本物なのかなぁ、と思うのだがサントリーのことなので色水入れるようなことしないだろう。通路天井には防犯カメラも付いているので本物なんだろうね。
いずれにせよ「大阪行ったら山崎蒸留所」はこれからも継続するだろうね。
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