
一人でフラフラするのがとても好きだ。昼でも夜でも構わない。
いつも歩いている場所でもそれなりに「楽しみ方」を知っているし、知らない場所なら尚更である。
近所はほぼ歩き倒してしまっている。おかげで誰かとどこかに呑みに行ってもどこかしら知っている。もしくは全く知らない土地でも「新規開拓」する能力に関しては自慢できるレベルである。
ただ、最近これが難しくなっていた。基本的に誘われれば断らないし、私も人間なのでいつも一人が良いわけでもなくたまには仲間を誘って呑んだりもする。しかし、それが続くといささかストレスとして蓄積され無性に一人でふらつきたくなる。
当然手にはカメラを持って、面白そうな場所(主に飲み屋だが)を探しながら撮って歩く。

面白そうな店を見つけてはフラッと一人で入り、一杯か二杯やっつけてまた歩きながら撮る。街を見て、人を見て、その街の空気を探るのが楽しい。高尚な言い方をすれば「フィールドワーク」である。
それで先週は久しぶりに武蔵小山に行った。正確には戸越銀座にめぼしい店があって一度行ってみたいと思って勇んで行ったのだが、なんとその店は7時過ぎに着いたときには店じまいの最中であった(※店主曰く、7時には食べ物の在庫が無くなり、無くなり次第閉店するのだという)。ここ意外にめぼしい店も無く、途方に暮れながらスマホで確認すると武蔵小山まで歩いて15分だったので武蔵小山まで歩くことに。

夜とは言え、気温は30度を超えている中で歩くのは辛かった。途中、住宅街を抜けるのだが節電の影響か街灯はどこも消えていた。これはいささか治安的に問題じゃないかと思った。本当に真っ暗なのだ。
また、この辺はどういう訳か「唐揚げ屋」と「マッサージ屋」が多い。激戦区と言っても過言ではないくらいある。これもこの街の特徴なのだろうか。
汗だくになりながら武蔵小山へ向かう途中、天然温泉(銭湯)があったり、串揚げ屋があったりと。三軒茶屋にも似たような街だがディープさは武蔵小山の方が「上」かも知れない。立ち飲み屋も充実しているし、一人でフラフラするにはもってこいの場所だ。
そうは言ってもこれほど歩くのが好きな割に「方向音痴」なので全体像を把握できていない。武蔵小山は意外と広い。

この日立ち寄った店で最大のヒットは「中華料理の立ち飲み屋」だった。

ここはなかなか面白い。中国人の気さくなおばちゃんとその娘(中学生くらい?)が手伝っていたのだが、この店は悪くない。また、支払い方法もチケット制と新しい。店内の内装は手作りに近いくらい簡素だ。
どうも飲食店の内装というものは客が望まない減価償却費を払わされている場合がままあり、それはそれで悪くはないが(むしろそれが必要な場合もあるけれど・・・)出される料理の質と値段のバランスがおかしい店も多い。そして一番の問題はそういう店は長続きしないことだ。

昨今の立ち飲み屋というものは、「現金引き換え」だがここはチケットだ。正直ここで千円分呑むというのはなかなかタフな行為である。むろん、私の「飲み屋データベース」に登録された。
こうして一人フィールドワークをすると、何気ない街の光景の中からいろんなヒントを見つけることができる。


