
今回大阪行ってきたのは、京都の小山登美夫ギャラリーで森山大道と蜷川美花のトークイベントがあり、イベント自体は抽選でして、見事当選したのが発端。
どちらかというと森山大道の「実物」を見たかったのよね。
基本的にカメラと写真家に疎いというか興味の薄い私がなぜ「森山大道」という写真家を知っているかというと、6年かそれよりちょっと前に、初めてGRを買ったときに、ついでに買ったGRのムック本に出てたのが最初。ただ、森山大道という写真家は写真家歴50年というとんでもないキャリアのおじさん。
それでこの森山大道という人は(無名な私が言うのも失礼な話だが)私に似ている。たぶん、森山氏から言わせてみれば氏の方が圧倒的に先なので「お前が俺を真似ている」と言われるだろうことは承知している。
でも、似てるんだよ。もうね、恐らく先々何かあるたびに「森山大道の真似」と言われると思うとウザイ。
私の方が良くも悪くも氏の写真より「上品」だから。
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さて、話をすすめる。それで年長者ということで敬意は払っているが別に尊敬はしていないが、他に興味のある写真家もいないし、このタイミングで大阪で氏の写真展をやっているというのでならば合わせて見てしまおうと。しかもその日はご本人の講演会があると知り、これはラッキー♪とばかりに大阪へ行ったのである。
そもそも写真展というのには年に一回か二回、東京写真美術館に行くくらいで、展示物はなんでも良く、気が向いたらフラッと行く程度。個人の写真展になんて行ったことがない。行くほどのものでもない、という意図なので今回わざわざ行ったという「ことの重大さ」はご理解頂けるかと。

講演会は「先着130名」なんだが10時から配布(講演は14時から)だが9時半に着いたときには長蛇の列である。大阪って写真リテラシー高いの?と一瞬焦った。しかも整理券貰えない人も多数いて、会場の外にモニタ設置して見てる人多数いてまた驚いた。
それで講演会だが、パネリストというか司会進行のギャラリストがまずグダグダ。人前で話すレベルではない。あと、同席していた学芸員もアホ丸出し。特にコイツは何を言っているのか要領を全く得ない。森山大道もこのバカ二人を相手に苦労というか、絶妙な話術で成立させていたが、いささか気の毒に思えた。
ただ、森山大道という人は場数のせいもあるだろうが「喋りが悪くない」。上手いかどうかは分からないのだが(これは私個人の経験則)、意外とユーモアのある人で、撮影中のエピソードで笑いを取る場面もあった。
やっぱこれからは「喋りとユーモアだよな~」と写真とは全く関係の無いところに意識が向いた。
一通りというかグダグダな感じの講演のあとは来場者との質疑応答なんだが・・・、まぁ、これはいいや。個人的にはメモした内容もあったけど、概ね「株主総会にありがちな本質的ではない質問」だったし。ただ、若い子が「撮影中に怖い目に遭ったことはないですか?」という質問は本質を捉えていたように思う。これにも森山氏はユーモアを交えて応えていた。

講演会終了後、売店で「図録」(要は写真展で展示されていた写真集)を買った。恐らく初めて買った「写真集」だと思う。

写真展そのものもかなり見応えのある内容(400点ほど展示)で、実際の展示ほどの迫力ではないが今回の展示会の主旨としては回顧展なので過去から現在に至る森山大道の写真をダイジェストで見れるのが魅力でつい買ってしまった。

私個人はさほど懐古趣味的な嗜好はないのだが、こうして見るとやはり「写真史」というか「日本史」というか、長くやる価値というものを感じることができる。そうは言っても所詮写真なので解釈は見る人の勝手である。

講演自体は期待したほどではなかったが(※あのバカ二人がほんと内容を完全にスポイルしてたよ)、写真展そのものは見る価値のある内容だったと思う。
そして、ついでにこの本も買った。

この本は数年前にハードカバーで読んだのだが、読了後売ってしまったので再度買ってみた。読み返すとなかなか示唆に富む内容で、久しぶりに読んだが内容は色あせていないと思った。ビジネスパーソンの皆さんにもお勧めできる。そこいらのわけの分からん奴が書いた「時間活用法」とか「なぜ×××なのか」みたいなゴミみたいな本よりは、グッと来る内容だと思う(※万人向けではないかも知れないが)。
写真も仕事も根っこにある「哲学」が大事だと常々思っている。逆にどんなに良かろうが儲かろうが「哲学無きもの」は人の心に残らないし、長続きもしない。これは断言できる。
自己啓発本なんて何の価値も無いんだからこういう本を読んだ方が人間力上がると思うけどね。
普段、本を読まない私が繰り返し読もうと思うくらいの価値はある。

