問題の原因は過去の経験則を疑うべし
先週からPCの調子が悪い。
起動直後に落ちたり、再起動かかったり。はたまた起動して使い出して三分くらいすると落ちたり、いきなりブルースクリーン出てきたり。
この挙動の不安定さは恐ろしい。ちょうど提出予定の写真を仕上げている最中だったので緊張感が増した。とりあえずプリント発注してから修復しようとだましだまし使っていた。
それでいざ修復しようとしても「原因」が分からない。ググってもいろんな可能性があることに気づく。こういう場合王道の故障原因は「ハードディスク」である。でも、ハードディスクの挙動が悪い感じでもない。それでDrive Fitness TestというHDDチェックツールを使ってチェックする。
なんら異常なし・・・・。
異常事態において「異常なし」はかなりイライラする。それがもっとも原因と思われる箇所の場合なおさら。PCの故障原因であるハードディスクドライブに問題が無いとなるとマザーボードかメモリとなる。
それで次はmemtest86+を使ってメモリテスト・・・。
やはり異状なし。
ちなみにデスクトップPCの場合はこの二つくらいまでしかチェックできるものはない。あとマザーボードかBIOSになるのだがマザーボードはHDDに異状があればビープ音が鳴るし、実質的に破損を調べるには「目視」しかない。BIOSも考え得るがそこを原因とするにはチェックのしようがない。せいぜいデフォルトに戻してやることが出来る程度。
それでマザーボードの破損を確認すべく、「目視」することにした。
基本的に「目視」というのは今回の修復作業の中では想定外の作業である。
結局、目視をすることにしたのはそれしかやることないからで、解決策だという認識はない。そもそもPCの不具合はパーツ単体にあるか、もしくはプログラムの異常という「過去の経験則」があるからだ。
それでついでなのでマザーボードの上をブロワー(あの缶に入っているシューする奴)でフーフーした(※ちなみにこの作業は通常メンテナンスとして前週やっている)。
あっという間に部屋はホコリにまみれるのだが、とりあえずそれくらいしかやることがないのでやってみた・・・。すると不気味なエラーは解決された。
48時間ほど何事もなかったのだが結局再発。するとまたブロワーでフーフーすると直るのである。30年ほど前に流行したファミコンと同じである。
それでこの一連の作業を通して感じたが、デジタルなんてしょせんアナログの延長上なんだよな。さらに、過去の経験則が邪魔をして目視を軽視し、ホコリを飛ばすということはメンテナンスの儀式としては認識していたものの、こうしたトラブルの解決策だとは思っていなかった。
これは落とし穴だ。
経験則というのは積み上げることで直感を養い、問題解決する上で必要な要素ではあるが思考停止の原因になりかねないという諸刃の剣でもあると感じた。
人間は歳を重ねて経験値が増えるとこうした思考停止になりやすいので気をつけないとならん。
(蛇足)
そうは言いつつも、今回マザーボードという無機質な「基盤」を見ていたら、芸術的というか、どういう規則性があるのか全くわからんが、何か意味があって配線されている様はなかなかのものだ。
フェラーリの美しさとは比較のしようがないが、必然性がもたらしたこのデザインはこれはこれでアリだね。
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